部下の特性を理解した指導法|「なぜ最初に教えてくれなかったの?」を防ぐために

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「なぜ最初に教えてくれなかったの?」という嘆きを新聞社のデスククラスからよく聞くことがあります。

職場での部下指導は、発達障害やグレーゾーンなど、特性を持つ社員がいる場合、その理解と配慮が不足すると、本人、上司、同僚らとも大きな負担になります。

社員の状態や特質を理解し、職場に共通の「トリセツ」を持つことが大切です。もちろん本人了解のうえです。

この記事では、支局長や本社統括デスクなどの経験から、職場のミスマッチを減らし、部下の能力を最大限に引き出すための方法を解説します。

許容範囲を超えた業務で起きたこと

地方で、若い男性記者Aが高校野球の取材中に倒れたことがありました。

写真撮影、記録、連携プレーの確認といった複数の作業が負荷となり、混乱して気を失い、塀に頭を打って救急車で病院に運ばれました。

Aは同時に複数の出来事が起きるとパニックになる体質。その後「高校野球はやりたくない」と訴え、会社も認めざるを得ませんでした。

記者の諸事情に応じて、どんな仕事を任せるかは重要な判断です。

Aはファッションや料理、地域の話題の取材は得意だったので、そちらを積極的に取材できるよう配慮しました。

別のケースでは、発達障害の診断歴がある若い女性社員Bが、本社で紙面の整理作業にあたっていました。Bはデスクの「あなたの判断でやってみて」の指示や複数の地方版の作業に悩んでいました。Bは具体的な指示がないと動けないタイプ。同時に複数の作業をすることも苦手でした。

音に敏感すぎる体質のため雑音や社内放送に耐えられない状況でした。Bは疲れ切って部長に配置転換を訴えました。

デスクはBの診断を知らされず、育成のために自主的な判断や創造的な作業を積極的に求めました。結果的にBを精神的に追い込むことになりました。

プライバシーと業務のはざま

デスクが診断歴を知ったのは配置換え後。

「最初から聞いていれば対応できたのに」とデスクは強く訴えましたが、会社はプライバシー保護の観点から事前に伝えませんでした。

デスクは自分の指導方針が間違っていると悩んでいたが、私から事情を聞かされた後、少し落ち着いたように見えました。

個人情報保護と業務遂行のバランスは職場における課題です。

ミスマッチがもたらす負担

社員の特性を知らないまま本人に業務を任せると、精神的・肉体的に疲弊する

  • 周囲もサポートに追われ、結果として休職者が増える
  • 職場全体の生産性が低下する

こうしたミスマッチは、本人だけでなくチーム全体の負担になります。そうならないためにも以下の配慮が必要となります。

ミスマッチを防ぐためのアプローチ

  1. 本人の同意を得て情報共有
    特性や苦手分野を担当上司やデスクに伝えられるよう、本人への説明と同意取得を行う
  2. 得意分野を活かす業務配置
    例:単純作業や間違い探しなど、集中しやすい仕事を担当させる
  3. 業務環境の調整
    雑音対策、作業手順の明文化など、負担を軽減する工夫をする

これにより、部下の特性に合わせた指導が可能になり、職場の安定につながります。

次の部署では、新しいデスクに引き継ぎ、社員が苦手なことやできることを明文化し、徹底するようにしました。新しいデスクは、具体的に丁寧に指導をすることで社員が仕事しやすい環境をつくてもらっています。

Bは得意分野で力を発揮。表情もぐっと明るくなりました。冗談も出るようになっています。

まとめ 部下の特性を理解

デスクの「なぜ最初に教えてくれなかったのか」という不満は、情報共有と配慮の不足から生まれます。

ただ、プライバシーの問題も軽視できません。どちらが優先されるかは言えません。粘り強く本人の説得と協力をお願いしていくしかありません。

本人の同意を得たうえで特性を共有。個人個人に応じた仕事を見極め、得意分野を活かすことで、職場はより柔軟で持続可能な環境になります。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
主要マスコミに勤務。記者、デスクとして東京、大阪、地方での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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