【デスク経験者が語る】新聞社の「デスク」はなぜ理不尽なのか? 彼らの苦悩と実態

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新聞社で働くうえで避けて通れない存在が「デスク」です。

記者の原稿を容赦なく直し、現場にニュース対応を威圧的に指示、朝刊の編集会議では扱いが良くなるよう記事を強引に売り込む――。

変人のデスクや怖いデスクのエピソードには欠きません。

デスクとはどんな仕事なのでしょうか。

一般企業では、マネージャーやグループリーダーの役割でしょうか。

現場と上層部の板挟みになりがちなポジションで、常に大きなトレスをため込んでいます、

30年以上新聞社で記者やデスクを務めた私が実際に経験した「厳しいデスク」「理不尽なデスク」の話を交えながら、デスクの役割について解説します。

皆さんの働き方の参考になるかもしれません。

デスクの仕事とは?中間管理職の立ち位置

新聞社の「デスク」は、部署を取り仕切る編集責任者のことです。本社各部や支社、支局などにいます。


具体的には――

  • 記者が書いた原稿のチェック・修正
  • ニュース発生時の人の配置や指示、応援要請、記事出稿の指示
  • ニュースの優先順位を判断し、関係先に通知
  • 支局や担当記者への指導・対応
  • 朝刊・夕刊会議への出席

など、多岐にわたります。

一方で、現場の記者からの不満を受け止めつつ、上層部からは厳しい要求や精度を求められるため、「中間管理職」としての悲哀もつきまとう。

「怖いデスク」エピソード集

私がかかわった企画記事の執筆が遅れていたときのことです。

本社社会部のベテラン男性デスクが、私の通信局兼自宅に押しかけてきました。

デスクはしばらく通信局のソファーに座り、私が記事を書くのを監視していました。落ち着かない様子。

それでも1時間ほどして私が企画記事を書き上げると満足そうに笑いました。

さらに「電話を貸せ」と言って別の記者に電話を始めた。
「原稿はどうなっとるんだ!」と怒鳴り散らし、電話を切ると「今から原稿を取りに行く」と言って、次のところへ走って去っていきました。

企画連載が終わった後、このデスクから「飯に行くぞ」と会社近くの焼き鳥店に連れていかれました。ねぎらいのつもりだったのでしょうか。

しか口にしたのは、突き出しとビール一杯のみ。

さらに別の日に行ったタイ鍋料理店では、デスクは「食べ放題チケットがある」と得意げに店員に差し出した。

ところが期限切れで、店員から指摘されると「そんなはずはない!」と激高。店員にきつく当たりだし、私は横で冷や汗。社内だけでなく、社外でも理不尽な人なんだとわかりました。

怖いのか偏屈なのか、もはや分かりません。

紙面の引き継ぎ資料を捨てたデスク

拠点の地方支社で私がデスクに就いたときのことです。

地元採用の先輩デスクとは初対面でしたが、いきなりかまされました。

先輩デスクは、私を困らせようと、私が担当する資料や引継ぎをすべて捨ててしまいました。当番デスクだった私は、たいへん焦りました。

すぐに必要書類が捨てられていたことを上司に報告した。

先輩デスクは上司の聞き取りに「新入りデスクを困らせて、俺の存在感を示したかった」という趣旨のことを明かしたそうです。


理不尽さと上下関係の厳しさに呆れるばかりでした。私が先輩デスクに強く抗議すると、それ以来、なくなりましたが。

めんどくさいデスクの典型です。余計なことに時間を割くのは、ばからしいけど、これもデスクの仕事のうちなのか。

不祥事で“内勤”になったデスク

さらに衝撃的だったのは、夜の街で民間人との暴力事件を起こして書類送検された支局長の配置換え。

外に出せないという理由で、本社社会部デスクになった。

あおりで社会部デスクをしていた私が、外されて記者に戻されました。

デスクは、そんなに軽い仕事なのかと落ち込みました。

でも当の本人(問題を起こした支局長)は堂々とデスク席に座っているのだから、やはり強い(?)。

デスクに必要なものは「前向きさ」と冷静さ

デスクには高圧的な人、ねちっこい人、体育会系の人、事件を起こした人などさまざまなタイプがいます。


共通しているのは、締め切りや記事の重圧に追われ、ストレスがたまりやすい立場 だということ。

だからこそ、前を向いて冷静に仕事を進められる能力が問われます。

私が記者、デスクを両方経験して分かったのは、デスクは相手の立場や得意分野、性格を見極めて対峙することが求められます。

デスクは編集現場で力を持つことから、上から目線できつく記者にあたりがちです。それでは、現場の記者たちとあつれきが生じてしまいます。

記者や現場の意見をよく聞いて、ニュースの裏側にあることや価値を一緒に追及していく姿勢が何より肝心です。

常に謙虚でなければいけません。

これは、あらゆる職場の中間管理職の人たちにも求められることです。

まとめ

  • デスクは記者の原稿を直し、取材指示を出す重要な役割
  • 一方で「中間管理職」として上からも下からもプレッシャーを受ける
  • 厳しい、理不尽なデスクのエピソードは尽きない
  • 最後に問われるのは「前向きさ」と冷静さ
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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
主要マスコミに勤務。記者、デスクとして東京、大阪、地方での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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