パワハラ相談を受けたときの心構え|記者が語る現場対応と注意点

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職場のパワハラ・セクハラは決して許されない行為です。しかし、同僚や部下から相談を受けたとき、感情的になって正義感だけで動くと、かえって被害者や自分自身に不利な結果を招くことがあります。

本記事では、元記者として多くの人事・職場トラブルを取材してきた経験から、パワハラ相談を受けた際の心構えと具体的な対応方法を解説します。

加害者が管理職の場合の難しさ

パワハラ・セクハラの加害者は多くの場合、管理職や権限を持つ立場にいます。

彼らは自分の行為をパワハラだと認めず、訴えられても否定します。人事や評価権限を握っているため、被害者側の人事評価や職場環境に悪影響を与える可能性もあります。

正義感だけで立ち向かうのは「勝てないゲーム」に挑むようなもので、十分な準備が必要です。

まずは証拠を集める

  • 録音:ボイスレコーダーやスマートフォンで、発言や状況を正確に記録
  • 記録:日記形式で日時・場所・発言内容・行動を詳細に残す
  • 第三者の証言:同席者や目撃者がいればメモや証言を確保

証拠がなければ、訴えが「言った・言わない」の水掛け論になり、不利になりやすいです。

社内での動き方

  1. 味方になってくれそうな幹部や上司を見つける
  2. 相談し、反応を確認する(難しそうなら深追いしない)
  3. 加害者の反論や行動パターンを予測し、事前に対応策を考える
  4. 信頼できる相談窓口があれば、証拠を添えて提出

被害者への助言

同僚や同期にも相談してネットワークを作る

  • 幹部や相談窓口に申し出たら、その後は静かに状況を見守る
  • 職場での立場や関係性に影響する可能性があるため、慎重に動く

研修と現実のギャップ

会社ではパワハラ防止研修が繰り返し行われますが、模範的なレポートを書く人ほど問題行動を起こす例もあります。

研修だけでは被害者の感情や苦しみを理解できず、人事や給与に関わる損得があるときだけ行動を変える人も少なくありません。

論理のすり替えに注意

メディアで「パワハラ対策が行き過ぎて若手社員が困惑している」という話を見聞きしますが、実際の現場でそうした声はあまり聞かれません。

これはパワハラ加害者側の都合の良い論理のすり替えであり、古い体質や思い込みが背景にある場合が多いのです。

まとめ

パワハラ相談を受けたときは、感情よりも事実と証拠を重視し、冷静に動くことが何より大切です。

証拠の確保、信頼できる人への相談、慎重な行動。この3つを意識することで、被害者を守りつつ自分自身も守ることができます。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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