人生において大切なこと 成功=社会的地位ではない | 大学の仲間A――ラグビー、政治、挫折、そして再起
社会人としてどう生きたらいいのか。あくせく働いていると生きている目的を忘れがち。会社の価値観に縛られ、考えも染まっていく。
ふと、気が付くと人生を謳歌していないことに気付く。出世していく同期を見ると、俺の方ができたのにと嫉妬の気持ちでいっぱいになる。
しかし、他人の価値観でのこと。自分が大切にすべき信念は何か。
納得がいくなら、堂々とやり切ったほうが楽しい。私も新聞社に長年勤めてきて、そう思います。人生は思い通りにいかないからこそ愛おしい。そう思わせてくれた人たちを紹介します。
成功とは何か、自分らしく生きるとは何か
うまくいかないこともある。大切なのは「やりたいことに挑戦できたのか」「信念通りに生きられたか」。
先日、大学時代のラグビーサークル仲間Aと会い、その思いを改めて強く感じた。
大学での出会いとラグビーサークル立ち上げ
私とAが出会ったのは大学2年。彼は一人でラグビーサークルを立ち上げ、手描きのビラを校内中に掲げて仲間を集めていた。
クマが組み合っているような拙いイラストだが、面白そうだと思い連絡した。体育会ラグビーに憧れていた私にとって、絶好の機会だった。
Aは法学部政治学科に2浪して入学。柔軟な考えの持ち主で、誰とでも友達になれる性格。「なんとかなるやろ」が口癖だった。
サークル活動は盛り上がり、やがて対外試合にも出場した。
留年、そしてアメリカ留学への挑戦
サークルや遊びに熱中するあまり勉強はおろそかに。彼は留年した。
それでもAは卒業し、大手造船フラ企業に内定を得た。しかし「このままでいいのか」と悩み、内定を辞退。アメリカ東部の大学院に留学するため、自動車会社の期間工として働き、貯めた900万円を元手に渡米した。
大学院で見つけたラグビー部に入り、アメリカでも同スポーツの普及に努めた。

帰国後の活動:スポーツから政治の世界へ
帰国後は、スポーツ振興を目的としたNPOを設立。関西を中心に活動したが、軌道に乗らず挫折。
次に挑んだのは政治の世界。地元選出の野党第一党の代議士秘書として、選挙区を駆け巡り、支援を呼びかける日々。
「日本は○○しなければ、あかんのや」
彼はいつも理想を熱く語った。一方の私は、会社の愚痴をこぼしていただけだった。
挫折と服役――選挙違反事件
そんな矢先、事務所の選挙違反でAは逮捕された。仲間の責任まで背負い、有罪判決を受け服役。社会から隔絶される苦しい時間を経験した。
再起:議員事務所に復帰し、結婚も
出所後しばらくして議員事務所に戻り、結婚もした。代議士が驕った態度やスタッフに理不尽な行為をしたときには本人に厳しく進言することもあったという。
信念を曲げない姿勢は、大学時代から変わっていない。
難病との闘いと回復への道
2年前、Aは免疫系の難病を発症。立てなくなるほどの症状だった。
幸い新薬が承認され、少しずつ回復した。
昨年の衆院選では再び選挙カーに立ち、人々に候補者への支援を訴えた。
再会で語り合った「人生に納得できるか」
先日再会した際、彼に「お前は人生を振り返って納得できるか」と聞かれた。
私は「特に後悔はない」と答えた。
私も聞き返そうと思ったがやめた。今も政治や日本のことを熱く語る姿にはまってく後悔の念は感じさせなかった。
友として思うこと:成功よりも大切なもの
今、Aは三人の子どもの父親。地元で観光ガイドや市会議員に挑戦しようとしている。「政治はおれのルーツ」との思いが強い。
食事会では、Aは同年代の友人が「人生まだ6回裏」と発した言葉に共鳴。このままでは終わらないという熱い思いがふつふつと伝わってきた。
大学の仲間たちも、挫折を経験しながら必死に生きている姿をみると、勇気づけられる。そして学生時代の楽しい時間が蘇る。
人生は成功するかより、「挑戦したか」「納得できるか」
仲間Aの半生は、そのことを強く教えてくれた。結果はたまたまのこと。
成功だけを追い求めすぎると、かえって大切なものを見失う。
サークル仲間との再会を通じて改めて思う。
【まとめ】Aの半生から学べる3つのヒント
- 挑戦は結果より価値がある
うまくいかなくても、挑戦したこと自体が次の人生の糧になります。Aのラグビーや政治活動も、その後の人脈や経験につながっています。 - 信念を持ち続けることが強さになる
挫折や病気に直面しても、Aは「自分らしく生きる」という軸を失っていませんでした。環境が変わっても信念がある人は立ち直れるのです。 - 成功=社会的地位ではなく、納得感
最終的に重要なのは「人にどう見られるか」ではなく「自分が納得できるか」です。これは誰にでも共通する普遍的な指針になります。

