大学の仲間Aが歩んだ波乱の人生――ラグビー、政治、挫折、そして再起

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成功とは何か、自分らしく生きるとは何か

うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。大切なのは「やりたいことに挑戦できたのか」「信念通りに生きられたか」。
先日、大学時代のラグビーサークル仲間のAと会い、その思いを改めて強く感じた。

大学での出会いとラグビーサークル立ち上げ

私とAが出会ったのは大学2年のとき。彼は一人でラグビーサークルを立ち上げ、手描きのビラを校内中に掲げて仲間を集めていた。
動物が組み合っているような拙いイラストだったが、何か面白そうだと思い連絡した。体育会ラグビーに憧れていた私にとって、絶好の機会だった。

Aは法学部政治学科に2浪して入学。柔軟な考えの持ち主で、誰とでも友達になれる性格。「なんとかなるやろ」が口癖だった。
サークル活動は盛り上がり、やがて対外試合にも出場した。

留年、そしてアメリカ留学への挑戦

サークルや遊びに熱中するあまり勉強はおろそかに。結局、彼は留年してしまった。
それでもAは大手造船フラ企業に内定を得た。しかし「このままでいいのか」と悩み、内定を辞退。自動車会社の期間工として働き、貯めた900万円を元手に渡米。

アメリカ東部の大学院に留学し、たまたま見つけたラグビー部に入り、アメリカでも同スポーツの普及に努めた。

帰国後の活動:スポーツから政治の世界へ

帰国後は、スポーツ振興を目的としたNPOを設立。関西を中心に活動したが、軌道に乗らず挫折。
次に挑んだのは政治の世界だった。地元選出の野党第一党の代議士秘書として、選挙区を駆け巡り、支援を呼びかける日々。

「日本は○○しなければ、あかんのや」

彼はいつも理想を熱く語っていた。一方の私は、会社の愚痴をこぼしていただけだった。

挫折と服役――選挙違反事件

そんな矢先、事務所の選挙違反でAは逮捕された。仲間の責任まで背負い、有罪判決を受け服役。社会から隔絶される苦しい時間を経験した。

再起:議員事務所に復帰し、結婚も

出所後しばらくして議員事務所に戻り、結婚も果たした。代議士が驕った態度やスタッフに理不尽な行為をしたときには本人に厳しく進言することもあったという。
信念を曲げない姿勢は、大学時代から変わっていなかった。

難病との闘いと回復への道

2年前、Aは免疫系の難病を発症。立てなくなるほどの症状だった。
幸い新薬が承認され、少しずつ回復。昨年の衆院選では再び選挙カーに立ち、人々に支援を訴えた。

再会で語り合った「人生に納得できるか」

先日再会した際、彼に「お前は人生を振り返って納得できるか」と聞かれた。私は「特に後悔はない」と答えた。
私も聞き返そうと思ったが、なぜか言葉にできなかった。だが、彼もきっと後悔していないように思えた。

友として思うこと:成功よりも大切なもの

今、Aは三人の子どもの父親。地元で観光ガイドや市会議員に挑戦しようとしている。「政治はおれのルーツ」との思いがある。

本日の食事会では、Aは同年代の友人が「人生まだ6回裏」と断じた言葉にいちく共鳴。このままでは終わらないという熱い思いが彼からふつふつと伝わってきた。


人生の成功には「出会い」や「運」も関わる。しかし、思い通りにいかなくても、自分の信念を貫く生き方があればいい。

大学の仲間たちも、それぞれ挫折を経験しながら必死に生きている。それでも再会すると、学生時代の楽しい時間が蘇る。
成功を追い求めすぎると、かえって自分を追い詰めることもある。

だからこそ「自分らしく生きる」ことが一番大切だ。

人生は成功よりも「納得感」

サークル仲間との再会を通じて改めて思った。
人生は成功するかどうかより、「挑戦できたか」「納得できるか」が大切だ。
仲間Aの半生は、そのことを強く教えてくれる。

結果はたまたまのことにすぎない。

【まとめ】Aの半生から学べる3つのヒント

  1. 挑戦は結果より価値がある
     うまくいかなくても、挑戦したこと自体が次の人生の糧になります。Aのラグビーや政治活動も、その後の人脈や経験につながっています。
  2. 信念を持ち続けることが強さになる
     挫折や病気に直面しても、Aは「自分らしく生きる」という軸を失っていませんでした。環境が変わっても信念がある人は立ち直れるのです。
  3. 成功=社会的地位ではなく、納得感
     最終的に重要なのは「人にどう見られるか」ではなく「自分が納得できるか」です。これは誰にでも共通する普遍的な指針になります。
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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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