「元気にあいさつしなさい」の呪い|サラリーマンが損しないための処世術
あいさつを強要する上司は多い
サラリーマン生活を振り返ると、「誰にでも元気にあいさつしなさい」と口うるさく言う上司が少なくありません。 まるで「自分にひれ伏せ」とでも言っているかのよう。 正直、こういうタイプの上司には休みの日に街で出会わないよう、細心の注意を払っていました。
元気にあいさつ=扱いやすい人と思われるリスク
私は誰にでも元気にあいさつするのが得意ではありません。仕方なくしていましたが、毎朝上司に元気にあいさつすると、必ずといっていいほど仕事を押し付けられる。 つまり「あいつは扱いやすい」と思われてしまうのです。これは完全に損です。
控えめなあいさつは上司に勝手に解釈される
一方で、別の社員たちは小声で「おはようございます」と言うにとどめたり、苦しそうに会釈して無言で通り過ぎたりしていました。 上司は「体調が悪いのか?」「家庭の事情かな?」と勝手に想像してくれる。 これは一つの処世術かもしれません。

私も真似しましたが、「本当は大丈夫なんだろう」とバレてしまいました。急にキャラを変えるのは難しいのです。
人望ある幹部の送別会で味わった失敗
地方から東京本社社会部に異動したばかりの頃、人望のあった大物幹部の退職のお別れ会がありました。 出席しないと「仲間に入れない」と焦り、居酒屋の大広間で行われた会に参加しました。50人ほどが、つなげた長いテーブル席に座りました。
幹部はなじみの記者たちと盛り上がり、最後に一人ずつ幹部へあいさつする流れになりました。 後ろにいた私の番が来たとき、記者たちから「なんでお前がいるのか」と叱られる始末。 この幹部とは何の面識もなく、語れるエピソードもゼロ。何も言えず、「すいません」と誤ってしまいました。
穴があったら入りたかったです。
あいさつは武器にもリスクにもなる
あいさつをすれば「扱いやすい奴」と思われ、控えめにすると「何かあるのか」と想像される。
一方で、社会部長への年賀状で「日韓ワールドカップサッカーの取材班になりたい」と書いたら実現したこともありました。
取材班として東京や札幌、大阪、広島などに出張して選手の親やコーチを取材。チケット転売問題で有楽町の大会本部に何度も通いました。歴史的な大会に参加できたのは貴重な経験になりました。
近年、年賀状をやめる人は増えていますが、それでも年始のあいさつの力は、すごいと思いました。人は、あいさつをされると気持ちがいいようです。
結論:あいさつは怖い。でも、うまく使えば武器になる。

