【マスコミの学歴事情】有名大学は就職に有利? 元デスクが明かす「大学閥のリアル」とキャリアを左右する真の要因

バイトで学費を稼ぎながらマスコミを目指している大学生のイメージ画像
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「マスコミで働くには有名大学が有利なのか?」――

これは就活生がよく抱く疑問です。私自身、長年新聞記者やデスクとして働き、社内外の人脈を見てきました。

そこで実感したのは「大学名はまったく無関係とはいえない」ということ。だからといって悲観するほどではない。絶対ではありません。

何より、力のあるいい上司との出会いが大切。認められれば、あなたがなりたいポジションに近づけるかもしれません。

30年以上新聞社で記者やデスク、支局長を経験した筆者が、メディア志望者や現役記者、マスコミに興味がある人向けに実情をお伝えします。

マスコミ就職 同窓会ネットワーク

私の会社では、他社と似たような大学出身者の顔ぶれが並んでいます。

早稲田、慶応、京大、東大、名古屋、金沢、横国、筑波、神戸、立命館、上智、一ツ橋、同志社、明治、青学、中央、南山、日大、東洋、専修あたりでしょうか。

社で目立つのは「同窓意識の強い大学」はW大やK大、国立大など。出身者の多い大学では、同窓会を開いています。そのメンバーが編集局の主要な役職に就くケースを何度も見てきました。大学閥だと思える人事は少なくありません。

大学によっては「仲間意識の強さ」が有利に働くのでしょう。

群れない大学もある

私の出身大学は違っていた。役員はいるものの、集まりはほとんどない。同窓だと打ち明けても「あっ、そう」で終わり。先輩後輩の飲み会もありません。

母校の広報担当者に尋ねたところ、「群れないのは校風。創立者が自主自立を重んじたから」と言われました。


大学の気風がそのまま社会に出てからの人脈づくりにも影響しているらしい。

組織で働くなら、同窓生の絆が強い大学を選び、出身者が多いマスコミを選ぶのは得策かもしれません。役員の出身大学を見れば、あからさまにそれは分かります。フジテレビや日経新聞などはそう見えます。

ただ、ジャーナリストを目指す人は反骨心を持ち、群れることが嫌いな人もいるでしょう。もちろん、そういう人たちの居場所もあります。

学歴よりも人間性が問われる場面

出身者が多い大学名だけで仕事の評価が決まるわけではありません。

中には特別感を持つ人もいます。


東日本大震災の取材で北関東の支局にいたとき、有名私大出身の同僚は「こんな危険な所で働くためにK大に入ったわけではない。私はここにいるべきでわない」と本社に異動願いを出し、すぐに東京へ戻ってしまった。

必死に災害報道に駆け回る同僚からはあまり理解を得られなかったようです。


特別な学歴がなくても現場で踏ん張る仲間も多く、私はそうした先輩や仲間に助けられてきました。幹部にもなっていく人もいました。

きっちり仕事をし、同僚から信用がある人は、大学にかかわらず評価されるのです。

有利とみられる大学を出ていても、仕事に不誠実な態度をとったり、パワハラ、セクハラの問題を起こしたりしたら失脚します。そんな人たちを何人も見てきました。おごりが出るのでしょうか。

遅すぎた同窓会ネットワーク

最近になってようやく、私の母校出身者のメディア同窓会が地元で発足しました。自社を含めてマスコミで働く6社50人ぐらい集まりました。顔合わせの場では、かつて仕事で対立した同僚もいました。

私の会社の副会長もいました。直接会うのは初めて。とても親しみやすい人で、もっと早く知り合えていればと残念に思いました。

大学名よりも上司の存在

結局、長年働いて痛感するのは「大学名よりも上司の存在が重要」だということ。


どんな学歴を持っていても、直属の上司次第で仕事のやりやすさは大きく変ります。力のある上司なら、あなたを行きたいところに引き上げてくれます。

理想の上司を見つけたら、一緒に働きたいとアピールできるかどうか。それがキャリアを左右します。

私自身もそういう上司に引き上げられました。

もちろん、大学が同じなら関係づくりはスムーズかもしれない。

違っていてもそれほど気にすることはない。自分から尊敬する上司に近づいていけばいい。自分のことを好かれて嫌に思う上司はいないです。

大切なのは学歴よりも「信頼される働き方、尊敬できる上司のもとで働くこと」。

他の業界でも同じだと思います。周りを見ていたらわかるはず。

まとめ:学歴は「きっかけ」に過ぎず、キャリアを作るのは「信頼」と「縁」

マスコミ業界において、特定の大学出身者が多い「大学閥」という事実は確かに存在します。しかし、30年以上の現場経験から断言できるのは、学歴だけで一生が安泰なほど、この世界は甘くないということです。

キャリアを切り拓くための本質的なポイントを整理します。

  • 「同窓の絆」は一つの武器に過ぎない  出身大学のネットワークが情報交換や人事に影響を与える側面はあります。しかし、群れない校風であっても、個人の力で居場所を作るジャーナリストは数多く存在します。
  • 現場で問われるのは「看板」ではなく「踏ん張る力」  災害現場などの過酷な状況下では、有名大学の肩書きは何の役にも立ちません。誠実に仕事に向き合い、同僚や取材先から「信頼」を勝ち取ることこそが、最大の評価に繋がります。
  • 「誰と働くか(上司との出会い)」が未来を決める  学歴以上に重要なのは、自分の能力を認め、引き上げてくれる「良き上司」との出会いです。自ら尊敬できる上司に歩み寄り、信頼関係を築く力こそが、希望のポジションへ近づく最短ルートとなります。

「どの大学を出たか」を気にするよりも、「現場でどう動くか」「誰に信頼されるか」にエネルギーを注ぐこと。それが、変化の激しいメディア業界で長く生き残り、納得のいくキャリアを築くための鉄則です。

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報道記者
主要マスコミに勤務。記者、デスクとして東京、大阪、地方での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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