新聞記者の「デスク」とは?怖い上司・理不尽なエピソードと中間管理職の悲哀

fourier1

新聞社で働くうえで避けて通れない存在が「デスク」。
記者の原稿を直し、ニュース対応を指示し、会議にも出席する――。
現場と上層部の板挟みになりがちなポジションで、名物デスクや怖いデスクのエピソードには事欠きません。

今回は、私が実際に経験した「厳しいデスク」「理不尽なデスク」の話を交えながら、デスクの役割や苦労について紹介します。

デスクの仕事とは?中間管理職の立ち位置

新聞社の「デスク」は、部署を取り仕切る編集責任者のことです。本社各部や支社、支局などにいます。


具体的には――

  • 記者が書いた原稿のチェック・修正
  • ニュースの優先順位を判断し、取材指示を出す
  • 支局や担当記者への指導・対応
  • 朝刊・夕刊会議への出席

など、多岐にわたります。

一方で、現場の記者からの不満を受け止めつつ、上層部からは厳しい締め切りや記事の精度を求められるため、「中間管理職」としての悲哀もつきまとう役割です。

「怖いデスク」エピソード集

ある企画原稿の締め切りが遅れていたとき。
なんとデスクが私の自宅に押しかけてきました。私が書き上げると満足そうでした。

さらに「電話を貸せ」と言って別の記者に電話。
「原稿はどうなっとるんだ!」と怒鳴り散らしてから去っていきました。

企画の連載が終わった後、「飯に行くぞ」と連れて行ってもらった会社近くの焼き鳥店では、女将から「閉店間際なので料理は出せません」と言われ、突き出しとビール一杯で終了。

別の日に行ったタイ鍋料理店では「食べ放題チケットがある」と得意げに差し出すデスク。
ところが期限切れで、店員から指摘されると「そんなはずはない!」と激高。私は横で冷や汗をかいていました。

怖いのか面白いのか、もはや分かりません。


紙面の引き継ぎ資料を捨てたデスク

地方支社で私がデスクに就いたときのこと。地元採用の先輩デスクとは初対面でしたが、いきなりかまされました。先輩デスクが勤務した次の日の私のデスク席には、何もなくなっていました。

前日の紙面の引き継ぎもなく、必要書類は全部捨てられていました。すぐ上司に報告しましたが、その日のデスク作業はとても困りました。
後で分かったのは「新入りを困らせて、俺の存在感を示したかった」という理由。
理不尽さと上下関係の厳しさに呆れるばかりでした。

私が怒ると、それ以来、なくなりました。

…めんどくさいデスクの典型ですね。

不祥事で“内勤”になったデスク

さらに衝撃的だったのは、不祥事を起こして外に出せなくなり、デスク専任になった前支局長。
その人と交代で私は記者に戻されることに。

「私は何もしてないのに」という理不尽さ。
でも当の本人は堂々と座っているのだから、やはり強い(?)。

デスクに必要なものは「前向きさ」と冷静さ

このようにデスクには高圧的な人、ねちっこい人、体育会系の人などさまざまなタイプがいます。
ただ共通しているのは、締め切りや記事の重圧に追われ、ストレスがたまりやすい立場 だということ。

だからこそ、前を向いて冷静に楽しみながら仕事を進められるかどうかが問われます。
これは新聞社だけでなく、あらゆる職場の中間管理職にも当てはまることかもしれません。

まとめ

  • デスクは記者の原稿を直し、取材指示を出す重要な役割
  • 一方で「中間管理職」として上からも下からもプレッシャーを受ける
  • 厳しい、理不尽なデスクのエピソードは尽きない
  • 最後に問われるのは「前向きさ」と冷静さ

新聞記者を目指す人や、マネジメントに悩む人にとって、デスクのリアルな姿は参考になるかもしれません。

合わせて読みたい
新聞記者の服装はカオス!? 取材現場で見た驚きのファッション事情
新聞記者の服装はカオス!? 取材現場で見た驚きのファッション事情
ABOUT ME
シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
記事URLをコピーしました