記者のセカンドキャリアは?記者をやめたら何になる

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新聞記者やテレビ記者は、日々の取材や原稿執筆を通じて社会と向き合う仕事です。

しかし、不満や burnout(燃え尽き)を感じたとき、次のキャリアをどう描くかは大きな課題になります。

記者は「つぶしがきかない職業」と言われがちですが、取材力や人脈を生かせば道はあります。

この記事では、実際に見てきた記者の転職先や珍しいセカンドキャリアの事例を紹介します。

記者のセカンドキャリアとは

経験を最大限に生かせるのは、やはり同業他社や関連業界です。

新聞社で震災報道を担当し高く評価された中堅記者は、NHKの記者に転職しました。

新聞社からテレビ局(キー局・準キー局)への移籍や、ネットメディア記者への転職は少なくありません。

異業種への転身事例

異業種への転職は少数派ですが、強い目的意識を持った人は挑戦しています。

医師に転身:社会部の30代男性記者が新聞社を辞めて受験勉強、2年後に琉球大学医学部に合格。精神科医になった元記者もいます。

政治家へ:文化部の30代女性記者は学生時代から政治活動に関わり、市議選でトップ当選。70歳の元デスクが市議会議員になった例もあります。参院選に挑戦し4位につけた30代前半の元記者もいました。

企業・行政関連への転職

記者経験は、広報や渉外といった分野で評価されます。

エネルギー業界:原発・電力取材経験を持つ地方紙の20代記者が水素エネルギー企業の広報へ。

大手企業役員:経済部女性デスクがト〇タの役員に就任。

行政・団体:観光協会、私立大学、市役所の広報などは比較的転職しやすい分野です。

その他:インディーズの映画監督、海外青年協力隊員、プロ野球の球団職員

珍しいキャリアチェンジ

少数ですが、福祉施設職員、染色家、代議士秘書、主婦などへの転身もありました。

ただ、全体として記者は保守的な人が多く、思ったほど他業種に転職していない印象です。

記者の経験は必ずしも無駄にならない

確かに、記者は特定の資格や技術を持たないため「潰しがきかない」と言われます。

しかし、取材力・文章力・情報整理力・人脈構築力といったスキルは、多くの業界で重宝されます。

エネルギー業界に転職した20代後輩記者は、北陸の原発立地自治体でエネルギー問題を積極的に取材していました。異動希望先は東京の原発取材班や茨城県など原発立地の自治体でした。しかし、異動先が関係のない職場だったことや新聞業界の不透明さ、将来の自分の姿を考え、転職を決意しました。

新しい職場で水素エネルギーについて一般向けの紹介記事を書いたり、海外向けに英訳する仕事をしたりしています。これまでの取材経験が役立ち、やりがいをもって取り組んでいるようです。

在職中に得意分野を見つけて深めていくと、人生の選択肢の幅を広げることにつながります。ただ、私の会社の場合、特定分野のみ任せることを嫌うため専門記者が育ちません。私も厚生労働分野を専門にしたかったのですが、かないませんでした。

それでも視野を広げれば、思わぬところに活躍の場が見つかるはずです。

若手社員「転職したい」31% 厚労省調査

 厚生労働省の2023年若年者雇用実態調査で、15~34歳の若年正社員のうち「転職したい」と答えた人は31・2%。5年前の前回18年調査から3・6ポイント増加。初めて30%を超え、転職を希望していない人の割合を上回った。賃金や労働時間の改善を求める人が多い。若手の定着に向け、事業所には賃上げや働きやすい職場づくりが求められている。調査は約7800事業所(従業員5人以上)と、そこで働く15~34歳の約1万3200人が23年10月の状況を回答した。 23年調査で転職を考える理由(複数回答可)は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が59・9%で最多。「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」50・0%、「仕事が自分に合った会社にかわりたい」41・9%と続いた。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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