新聞記者の定年退職後はどうなる?再雇用・転職・セカンドキャリアの現実

新聞記者として働いていると「定年後はどうなるのか」と不安に思う人も多いでしょう。現役時代は激務に追われて将来の準備をする時間もなく、気づけば定年が迫っている――そんな声をよく聞きます。
ここでは、私自身の体験や身近な先輩たちの例をもとに、新聞記者の定年退職後の進路と現実を整理しました。
再雇用で会社に残る
多くは60歳で再雇用契約して会社に残ります。原則、退職前に所属していた本社や地方の部署で引き続き勤務します。 ほかは編集委員や 関連病院の事務局長、文化センター事務局員や講師、NIE事務局員、地方支局の記者やサブデスク、通信部局員など。契約期間は65歳までです。2、3年で辞めてしまう人もいます。かつての部下に使われるのが嫌になったからでしょうか。
以前は地元大学で講師としてジャーナリズムを教える人もいましたが、最近はあまり聞きません。 一部の幹部は定年後も正社員として残り、本社役員や他本社代表、支社長、関連会社役員になりますが、わずかです。
地元大学の広報事務職員など
会社では、定年1年前に退職に向けた講習会があり、その後に意向を聞かれます。希望通りになるとは限りませんが、退職数カ月前になって会社から「この仕事どうか」と打診があります。
社外への推薦もあります。地元大学の広報事務職員など。歴代ルートがあるようです。大学職員となったOBは、大学PRの記事を書いてくれと社の編集部によく顔を出しています。大学にとってもメリットがあるということでしょう。
会社と縁を断つ人も
会社と縁を断つ人もいます。塾を経営したり、親の事業をついだり、フリージャーナリストになったり。観光協会や自治体関係の職場を選ぶ人も。 親の介護につきっきりになったケースもありました。 他社では、マンション管理人もいました。
ただ、在職中に働き過ぎや不摂生がたたって健康を害している人が少なくないです。覇気がありません。退職後はゆっくりしたいというのが本音かもしれません。
新聞記者は定年前から準備を始めよう
不安になった私は、複数の先輩に相談を持ち掛けたのですが多くは語ってくれません。迷いや虚しさがあるのでしょうか。他の退職者の仕事先も調べましたが、あこがれるような転身はほとんどありません。逆にそれが驚きでした。
再雇用されても給料は3分の1に減り、生活は苦しくなるばかり。現役時代に投資に力を入れ、独立して事業をしたり、定年のない職業に移ったりしていればと残念でなりません。そもそも40、50代は仕事が忙しすぎ、考える時間がなかった。定年退職間際に後悔しても遅いのです。
