新聞社、テレビ局(報道)の花形部署はどこ?政治部・社会部・外報部の実情と特派員の現実

報道機関の花形部署は政治部や社会部?それとも外報部?記者の実体験をもとに、特派員のなり方や海外勤務の現実、昔と今の違いまで解説します。マスコミ志望者必見。
報道機関の花形部署はどこか?
報道機関の中で「花形部署」と呼ばれるのは、一般紙やテレビ局では 政治部 や 社会部。経済紙では当然ながら 経済部 が中心です。一方で、海外取材を担当する 外報部(国際部) もかつては花形部署のひとつでした。
ただし、社によって事情は異なります。NHKや読売新聞のように最初から国際部に配属されるケースもあれば、私の社のように「出身部署 → 外報部 → 元の部へ戻る」というパターンもあります。
外報部から海外特派員へ
外報部に配属されると、次は 海外特派員 への道が開けます。
- 社会部系 → ニューヨーク、カイロ、バンコク、モスクワ、北京支局
- 政治部系 → ワシントン支局
- 経済部系 → ロンドン支局
といった具合に担当が分かれます。
特派員になる人は大きく3パターン。
- 留学試験に合格 した記者
- 大変な取材やデスク業務をこなしたご褒美 として行く人
- 局内で扱いづらくて遠ざけられた人(実際によくある話)
赴任期間はおおむね3年ほどです。
留学試験と私の経験
私自身も留学試験に挑戦しました。
アメリカ、ロシア、中国あわせて 5回挑戦しましたが、すべて不合格。
特にロシアは語学や情勢を学ぶ場が東京には少なく、勉強に苦労しました。
中国派遣については可能性がありましたが、途中で後押ししてくれる幹部がいなくなり、実現しませんでした。社会部できつい仕事をしながら留学試験のための語学や論文対策をするのは無理。楽な部署で勉強に時間をかけられる人がとても有利でした。
特派員の待遇は昔と今で大きく違う
十数年前まで、特派員は日本での給与に加えて現地給与も支給され、経済的にかなり恵まれていました。
しかし現在は経費削減で、 日本での給与一本+手当ほぼなし が主流。
さらに円安や現地の物価高もあり、生活費のやりくりが厳しいのが現実です。
欧州勤務の特派員から「早く日本に戻りたい」と泣き言が出ることも珍しくありません。
花形だった外報部の今
かつて「花形部署」と言われた外報部ですが、新聞社の 部数減・収益悪化 に伴い、海外支局の縮小が進んでいます。
特派員の数も減り、待遇も悪化。
今では「外報部=憧れの部署」という時代ではなくなりつつあります。
結局のところ、生活のしやすさや治安、政情不安、物価の安定を考えると、日本国内で働く方が良いと感じる人も増えているのです。
まとめ
- 報道機関の花形部署は社によって違うが、一般的には 政治部・社会部・経済部・外報部
- 外報部から海外特派員になるには 留学試験合格や実績 が必要
- 昔の特派員は高待遇だったが、今は 経費削減で厳しい現実
- 「外報部=花形」という時代は過去のものになりつつある
