マスコミ就職に有利な大学はある?|新聞記者が見た学歴と人脈のリアル

マスコミに有利な大学はあるのか?
「マスコミで働くには有名大学が有利なのか?」――これは就活生がよく抱く疑問だ。私自身、新聞記者として長年働き、社内外の人脈を見てきました。
そこで実感したのは「大学名はまったく無関係とはいえない」ということ。
同窓会ネットワークが昇進に影響?
私の会社では、地域による偏りはあっても、他社と似たような大学出身者の顔ぶれが並んでいました。
特に目立ったのは「同窓意識の強い大学」。社内に同じ大学出身者が集まり、しばしば同窓会を開いていました。そして、そのネットワークのメンバーが主要な役職に就くケースを何度も見てきました。
やはり大学によっては「仲間意識の強さ」が有利に働く。
群れない大学もある
私の出身大学は違っていた。役員はいるものの、集まりはほとんどない。同窓だと打ち明けても「あっ、そう」で終わり。先輩後輩の飲み会もありませんでした。
母校の広報担当者に尋ねたところ、「群れないのは校風。創立者が自主自立を重んじたから」と言われました。
つまり、大学の気風がそのまま社会に出てからの人脈にも影響している。
学歴よりも人間性が問われる場面
大学名だけで仕事の評価が決まるわけではありません。
東日本大震災の取材で茨城にいたとき、有名私大出身の同僚が「こんな危険な場所で働くためにK大に入ったわけではない」と異動願いを出し、すぐに東京へ戻ってしまった。必死に災害報道に駆け回る同僚からは理解を得られなかったようです。
一方、特別な学歴がなくても現場で踏ん張る仲間も多く、私はそうした先輩方に助けられた。彼らはやがて幹部にもなっていきました。
遅すぎた同窓会ネットワーク
最近になってようやく、私の母校出身者によるマスコミ同窓会が発足しました。顔合わせの場では、かつて仕事で対立した相手が実は同窓生だった、という笑えないエピソードも。遅すぎる動きに「もっと早ければ…」と残念に思います。
大学名よりも上司の存在
結局、長年働いて痛感するのは「大学名よりも上司の存在の方が重要」だということです。
どんな学歴を持っていても、直属の上司次第で仕事のやりやすさは大きく変ります。理想の上司に近づき、一緒に働きたいとアピールできるかどうか。それがキャリアを左右します。
もちろん、大学が同じなら関係づくりはスムーズかもしれない。だが、違っていても気にする必要はない。大切なのは学歴よりも「信頼される働き方」です。

