【デスクが直伝】メディアに「選ばれる」情報の流し方|新聞・テレビが食いつく3つのポイントと採用率を上げる秘策

寄せられた情報をチェックする新聞社デスクのイメージ画像
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「面白い話がある。自分だけにとどめておくのはもったいない」「お店をメディアに取り上げてもらいたい」「こんなことは許せない」

そのためにはメディアを活用することは効果的です。地域の活動や事業を広く知ってもらうことで、仲間を増やしたり、協力を得たり、利益を増やしたりすることが期待できます。

どうしたらメディアに情報を扱ってもらえるのか。店主や事業主、イベントの主催者、内部告発を考えている人は頭を悩ませているかもしれません。

メディアがどういう基準で、情報を取り上げているのか。それを知ることは、提供した情報が選ばれる確率をぐっと上げるのにつながります。

一度、記事に載ると、他のメディアに広がることは少なくない。テレビや週刊誌は、ネタのヒントを得ようと新聞を丹念に読んでいるからです。

情報には、取り上げてもらいたい人やもの特徴や得意分野、実績などの詳細、社会性の有無、確認できる連絡先を明記することがポイントになります。

30年以上新聞社で記者やデスク、支局長をしていた私が、内部から見た情報を扱う基準や求められることをお伝えします。

メディアは「何を」基準にニュースを選んでいるのか

最初にイベント告知や店情報、ユニークな取り組み、面白い人物など一般情報についてみていきましょう。

イベントでは季節感あるものやオリンピックなどメジャーニュースに関係あるものが取り上げられやすいです。

○○にちなんだクリスマスのイルミネーションを作った民家や公民館とか、オリンピックでメダルを取った選手がよく通っていたお好み焼き店などは、定番ニュースになります。

人物は、突出した才能に恵まれた人や、珍しいことに挑戦している人が好まれます。最鼻でリコーダーをうまく演奏する少女や関西万博に期間中すべて訪れた万博おばさんは、全国的な注目を浴びました。

万博おばさんのケースでは、万博の熱狂ぶりや人との出会いのすばらしさを彼女が体現していたところが読者や視聴者の心に刺さりました。

お店については、特定のプロ野球ファンやサッカーファン、コスプレーヤーの拠点や歴史的な人物と関係がある、関連の珍しいメニューを出しているなど。

世界大会や優勝争いなどスポーツイベントでは、メディアのファン取材などで重宝がられることもあります。

情報提供は、新聞社やテレビ局の社会部や報道部にファクスやメール、封書で概要と連絡先を送るのが一般的です。メールは大量にマスコミ会社に届くので、担当者が見落としがち。封書なら手に取って読むので、取り上げられる確率は上がります。

PR代行業者に依頼する個人、団体や企業はありますが、逆効果になることもあります。

PR代行業者はマスコミのデスク宛てに直接電話します。送ったファクスを確認しろとか、いつ取材に来るのかをしつこく問うてきます。デスク作業をしている時間帯が多く、こちらの仕事を長時間にわたり中断させます。

私が東京本社でデスクをしていた際、PR業者の数千通のリリースを見てきました。経験から使えない内容がほとんど。不採用にすることが多かった。新聞社側が、じっくり見ることができないので、あまり、お勧めしません。

大学・研究機関に求められる「知の財産」の提供

少子化の時代、どの大学も生き残りに必死です。

学生集めにつながるよう一部の大学は、新聞社を定年退職した元記者を広報担当者として雇用し、結びつきを強めようとしています。元記者の広報担当者は、大学のPR情報をもって新聞社回りをしています。

新聞社員の立場からは、大学のPR情報だけでなく、知の財産をもっと使いたいと思っています。多くのニュースを扱う社会部は、重要な出来事では、識者の専門的な意見を必要とします。

新聞社は、すべての分野で識者を把握しているわけではありません。

日ごろから足りない分野の識者をそろえたいと考えています。

自然、社会、政治、国際、心理学、法律、医学、介護、福祉など各分野の最新の専門家一覧表とプロフィール、実績、連絡先などを手元に置きたいと思っています。

大ニュースや企画記事で、すぐに専門家に電話でコメントが取れれば、より充実した紙面につながります。

特にロシアやイスラムは識者が足りません。間違った情報や一方的な情報が識者を通じて拡散され、読者や視聴者に間違った認識を抱かせています。

大学で情報提供がうまいと思うのが近畿大学。特に東京のマスコミを狙って情報を積極的に出しています。養殖の近大マグロは、早い段階からメディアに定期的にプレスリリースを送っていました。

気候温暖化で、天然マグロの資源が危うくなってくる中で、養殖マグロがだんだんとメディアに注目されるようになってきました。今では未来の食料確保の手段として、確固たる地位を築きつつあります。

近畿大は銀座や大阪・梅田に養殖マグロの専門レストランも運営して、大学の研究を積極的にアピール。日本一の受験生を集める大学にまで発展しました。

内部告発を「社会の正義」に変えるために

不正や不公正なことをされたり、目にしたりしたとき、自分だけでは何もできない。警察に行っても受理してくれなかった。そんなとき、新聞社やテレビ局に内部告発する方法もあります。

内部告発でよくあるのは、学校での教師による体罰、いじめ、盗撮、首長のセクハラ、パワハラ、福祉施設での虐待や問題の業務内容、金融機関での横領、公共事業の不正入札、汚職の内部情報など。

新聞社には、内部告発はファクスや投書でくることが多い。経験から読んでもよくわからない内容も少なくありません。

お願いしたいのは、具体性のある内容で、公共性があること。個人の私怨や誹謗中傷、攻撃は受け付けません。あくまで「社会正義のための手続き」であること。文書、資料、音声など証拠をつけてください。

メディアは根拠となる証拠がなければ、動けません。相手方にも取材をします。それに耐えうる基礎的な情報提供を求めています。

地域と社会を動かす「あなたの情報」が、メディアの原動力になる

これまで一般情報、大学・研究、内部告発について具体的に書いてきました。情報提供者は、メディアの事情を考慮すれば、効率よく採用されます。

発信者が話題や問題を取り上げてもらうことで、よりよい社会をつくりたい。そういう思いがあれば、メディアは積極的に動きます。

まとめ:メディアの「内側」を知れば、あなたの情報はもっと届く

30年以上の記者・デスク経験から断言できるのは、メディアは常に「価値ある情報」に飢えているということです。ただし、届ける側と受け取る側のミスマッチが、多くの機会を奪っています。

あなたの情報や活動を社会に広めるために、以下の3つのポイントを意識してください。

  • 「公共性」と「季節感」を意識する  個人の利益だけでなく、「今、なぜこれを報じる必要があるのか(季節性・社会性)」という視点を添えるだけで、採用率は劇的に上がります。
  • 手段は「封書」がおすすめ  大量のメールに埋もれる現代だからこそ、手に取って読める封書はデスクの目に留まりやすく、信頼感を与えます。PR代行業者を通さない「生の声」の方が響くことも多いのです。
  • 「証拠」と「連絡先」を明記する  専門家の知見や内部告発など、事実関係が重要な情報ほど、裏付けとなる資料と「すぐに連絡が取れる窓口」が必須です。

メディアを「活用」することは、より良い社会をつくるための強力な手段になります。あなたの持っている「面白い話」や「社会に問いたい問題」を、ぜひ戦略的に発信してみてください。

この内容を公開する際、以下の調整を加えると「有用性」がさらに高まります。

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報道記者
主要マスコミに勤務。記者、デスクとして東京、大阪、地方での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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