【見出し作りにも役立つ】新聞社の「地方部」とは? 仕事内容・役割・現場の裏側まで徹底解説
新聞社の地方部は何をしているのか
地方部は、各地域のニュースをまとめて 地方版の紙面を制作する部署 です。本社に置かれ、支社や支局から送られてくる記事や写真に見出しを付け、レイアウトを整え、最終的な紙面を完成させます。
一般読者には見えにくい存在ですが、新聞を作るうえで欠かせない要の部署です。
ここでは、地方部の具体的な業務と、編集の裏側を紹介します。
皆さんの会社の社内報や広報誌の編集作業にも役立つと思います。
■ 地方部の役割とは
地方部は、東京なら首都圏編集部 その他の本社では地方部と呼ばれます。
地方部の主な仕事は次のとおりです。
- 支局から届く記事・写真の編集
- 見出し作成
- グラフや図解(CG)の制作
- 紙面レイアウト
- 支局デスクとの調整
- 紙面差し替えの判断
全国ニュースを担当する整理部と同じ「編集部署」ですが、地方部は 地域密着の記事が中心 です。
ちなみに整理部は1面、国際面、政治面、社会面、経済面、運動面、文化面、教育面、生活面の編集を担っています。
■ 地方版紙面はどう作られるのか
● 出稿予定から紙面構成を考える
午後3時半すぎ、支局から翌日の「出稿予定」が届きます。
ここには「面のトップ(アタマ)」「2番手記事(カタ)」が示されています。
地方部デスクは、支局と連絡を取りながら紙面の方向性を固め、担当者に具体的な指示を出します。
滋賀版を例にとると、担当の地方部員はデスク1人、滋賀版、志賀総合版、びわこ版、びわこ総合版があり、3人ほどの部員がこれらの面の見出しとレイアウトを担当します。
デスクは支局のデスクや支局長と、紙面づくりや記事内容についてやりとりし、それを基に面を担当する部員に指示を出していきます。

● 予定外のニュースで紙面が一変する
事件・事故・災害は突然起きます。
予定していた紙面は、急きょ差し替えになることが多く、編集者には 瞬時の判断力と構成力 が求められます。
● 締め切りは午後9時半が目安
締め切りまでに
- レイアウト
- 見出し
- 誤字脱字チェック
- 追加取材の反映
などを終わらせなければなりません。
知事選や市長選、市議選などがあると、紙面の降版を延長して、当選本記や雑感記事の紙面を開けて待ちます。毎回、間に合うかはらはらします。
間に合わなければ、用意していた開票作業が深夜まで続いたとする記事と写真、別の一般記事を差し込んで対応します。
大変なのは台風や地震、豪雨などの災害時。新聞輸送の困難が予想されるため、降版時間がぐっと早まります。4時間早めと言うのもありました。
地方版づくりがあわただしくなります。残稿などを使い、早めにそろった記事で作るしかありません。
■ 見出し作りの難しさ
地方部で特に重要なのが 見出し です。
- 10文字前後で内容を正確に伝える
- 読者の興味を引く
- 読みやすい
- 報道として正確
という条件を満たす必要があります。
例えば過去には、
- 「いんちきおじさん登場」 ちびまる子ちゃんの偽グッズを販売した男が逮捕されたことを報じる記事
- 「黄金に染まる街 祖父江」 銀杏の産地のイチョウが色づいたことを伝える記事
- 「青春の音色 垣根を越えて」 地元楽器店が、学校に軽音楽部がない高校生のために学校の垣根をみえて結成したバンド「東三河軽音楽部」を報じる記事
など、短くても印象的で内容がスッと入る見出しが生まれています。
俳句のように、 少ない字数で世界観を伝える感覚 が求められます。
私は大半を取材現場の記者や出稿側デスクとして過ごしたため、50代で配属された地方部の仕事は新鮮でした。
見出しのつけ方は思ったより難しい。これまで以上に地方部や整理部の人たちに感謝の気持ちが高まりました
■ 新年特集などの大規模企画も担当
地方部は通常の紙面編集だけでなく、年末年始の特集も制作します。
テーマは地方部総括デスクが企画のテーマ決めから、支局への指示、レイアウト、デザインまで一貫して担当し、地方色豊かな紙面を作り上げます。
例:
- 「アニメの聖地」特集
- 「道の駅」特集
「アニメの聖地」では、2009年に劇場公開された細田守監督のアニメ映画「サマーウォーズ」でヒロイン夏希の実家に設定された長野県上田市などを紹介。市などは「サマーウォーズの里」とPRし、作品を生かした観光誘客を展開。
「道の駅」では、ウミガメ60匹を水族館で飼育・展示する「紀宝町ウミガメ公園」やニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」をPRする施設がある「スカイドーム神岡」を紹介し、好評でした。
■ 地方部に向いている人
- 編集作業が好き
- ニュースの優先順位を判断できる
- 冷静に構成できる
- 突発対応が苦にならない
- 文章・見出し表現が得意
取材現場との交流も多く、記事の本質を見抜く力が求められます。
■ 編集局は多くの部署で成り立っている
新聞社は
- 社会部
- 政治部
- 経済部
- 写真部
- 整理部
- 地方部
など、多くの部署が協力して紙面を作っています。
その中でも地方部は、地域のニュースを大切にしながら読者に伝える重要な役割を担っています。
地方部は、転勤も本社間と限定的なことから最初から整理畑を希望する人もいます。取材現場との交流もひんぱんにあります。



