新聞社の出世コースは?どの部署が昇進ルートに近い?
新聞社の出世コースは何か。一般企業では利益を最大化するため「経営」が人事の中心ですが、新聞社は異なります。
報道機関はジャーナリズムの維持を重視するため、伝統的に「編集部門の意向」が人事に強く反映されるという独特のシステムがあります。
各社によって強い部署は異なり、
- NHK:政治部
- 朝日新聞:経済部・整理部
- 読売新聞:政治部・社会部
など、メーン部門の色があります。
こうした部署から幹部が選ばれ、編集と経営の大局を見ながら会社全体を動かします。私が勤務する新聞社では、長い間「社会部」が出世の中心に位置してきました。その実例を紹介します。
現場部門は会社の“花形”だった
私の社のメーン職場の社会部は、地方支局で記者経験を積み、「優秀」と評価された記者が配属される、社内でも憧れの部でした。
- 海外特派員
- 幹部(編集局長、副局長、取締役クラス)
- 各部の部長(生活、文化、スポーツ、経済、教育報道など)
- 地方支社長、支局長、デスク陣
これらの多くが社会部出身者。
結果として、社内の給与水準も社会部が最も高い傾向 にありました。
プライドの裏に潜む影
しかし、その“強さ”の裏側には弊害もありました。
社会部出身者は総じてプライドが高く、横柄な態度が目立つ。
体育会系の厳しい上下関係が残り、パワハラやセクハラの温床 になっていたのです。実際に問題化した事例も少なくありません。
それでもトップ人事は長年、社会部出身者を中心に固められ、
「社会部出身でなければ人ではない」
とまでささやかれました。創刊以来、この構造はほとんど変わりませんでした。
しかし、独善的な支配の結果、若手の精神疾患や離職が増加。社会の価値観にもそぐわなくなり、ついに社のトップは社会部の解体に踏み切ります。

突然社の方針が変わる
1年ほど前、突然社の方針が変わりました。あまりにも独善的な社会部支配の弊害や顕著となった若手社員の精神疾患や離職の問題もあり、社は社会部支配の終焉に舵を切った。代わりに整理部出身者を次々と幹部らに抜擢した。編集局長もこれまでほとんどいなかった整理部出身者を据えた。
内勤部門は“裏方”として安定を支える
整理部や地方部などの内勤部署は、
- 見出し作成
- 紙面レイアウト
- 選挙調査
- デジタル編集
などを担当し、直接取材はしません。
支局との相性が合わず内勤に移った人もいます。
固定メンバーで働くことが多いため、環境が安定しており、子育て・介護・病気などを抱えた社員の働きやすい場所にもなっています。
社会部が失った力、浮上する内勤出身者
今回の大きな人事転換で、
- 本社内で社会部出身の部長はほぼ不在
- 専属の社会部長が消滅(1年間だけの異例措置)
- 社会部のデスクや警察キャップが地方へ異動
- 内勤や文化部、運動部など非社会部系出身者がニュースデスクに
という劇的な変化が起きました。
長年「出世の中心」だった社会部が、突然その力を失った。
まとめ 出世の常識は、もはや通用しない
新聞社に限らず、組織が求める能力は時代によって変わります。
強かった部署が弱くなり、裏方だった部署が台頭することもあります。
「この部署に入ったから将来は安泰」
という“出世神話”はもう通用しない。
そんな時代になっています。絶対はありません。



