記者クラブとは何かを簡単に説明!仕組みや種類、入り方:特ダネは会見では生まれない
その在り方が批判の的になる記者クラブ。新聞社や放送局の記者は、取材拠点の一つとしてクラブに所属します。私が新聞記者として長年取材した経験から記者会見では、たいした話は出てきません。警察や行政、主張したい側の都合のいい内容ばかり。そこを切り崩していく戦いでした。
クラブ加盟社の当番で幹事社になると、めんどくさい幹事業務が目白押し。具体的には行政や警察、取材対象者との会見調整や加盟社の意見とりまとめ、各社に重要な情報を電話などで伝えるルート連絡など。幹事業務の煩雑さに比べ、得られるものが少ない。一方で、会見する側にとって、記者クラブの存在は“メディアをコントロールするのに都合がいい”面もあるようです。
記者クラブとは何か
ニュースの裏で、記者たちはどんな毎日を送っているのか?
記者クラブは、警視庁、検察、裁判所、国会、省庁、都庁、市役所、教育委員会、JR・私鉄など、あらゆる公的・民間機関に設けられています。必要に応じて各社の記者が登録し、常駐しています。
会見は定例・緊急・研究発表などさまざまですが、「いいネタ」は基本的に会見からは生まれない。
会見では、会見者が不都合な話は隠し、小さくしようとする意図が透けて見える。関係者に直接会い、現場で足を使って情報を取ることを怠ってはいけない。
記者クラブで待っているだけでは、価値ある話はとれません。
幹事業務の現実:膨大な雑務に追われる
記者クラブの幹事業務では、新聞とテレビ局が組になり、数カ月ごとに幹事業務を交代して当たります。当番の時は、ひっきりなしに会見申請の電話が入り、他社との調整に追われます。
クラブ内のもめごと対応、総会開催、行政や企業からの要望調整など、雑務が山積みです。もめごとが好きな記者が加盟社にいると、本当に困りました。
近年はメディア各社の人員削減が進み、クラブ所属記者が減少。その分、残っている記者が他社の分まで働くことになり、業務負担は増すばかり。「幹事はもう勘弁してほしい」と断る加盟社が増えています。
フリーランスをめぐる問題と人数制限の現実
記者クラブは「フリーランスに閉鎖的」と批判されることがあります。実際は参加を認める場合も多いのですが、出席者が増えすぎると収拾がつかなくなることも。
質問時間が奪われたり、関係のない質問ばかりで会見時間がなくなることもあり、一定の人数制限はやむを得ません。現場では「双方のメリットを考えたうえで、今の形に落ち着いた」というのが実情です。
厚生労働省を担当していた時、中堅4人の女性記者が会見室の前の席を独占していました。代わる代わる質問を繰り返し、互いに競っているようでした。こちらの質問ができなくなるのでやめてほしかったのですが、彼女たちはライバル心があるのかヒートアップしていきました。記者クラブの弊害だと感じました。
近年は主催者がネットやユーチューブなどで同時配信するなどして、より多くの人たちが見られるようになりました。メディア自体も生配信するなどしています。だんだん多くの人が見る機会が増えています。

印象に残るクラブ:JRと空港の会見
印象に残っているのは、JR東日本の月例会見です。毎回、新作の駅弁が登場し、温め機能付きの多彩な駅弁をラインナップ。JR側は記者の反応や意見をもとに商品化を検討していたようでした。取材としても「おいしい」経験でした。
鉄道クラブや空港クラブは雰囲気が明るい。記者はもちろん、鉄道、空港会社の広報職員も楽しげでした。夜は滑走路を眺めながら空港記者室で仕事ができるという贅沢な環境。お正月の富士山を拝む初日の出フライト取材もありました。
事故がなければ、おすすめクラブのひとつです。
最も厳しい現場:警察クラブ
一方で、警察の記者クラブは空気がまったく異なります。怒鳴り声やいやみが飛び交い、「教育」と称したパワハラまがいの指導が横行していました。他社のやり取りを見ているだけでも気分が沈みます。
扱うのは事件や事故ばかりで、明るい話題はほとんどなし。情報の真偽確認には細心の注意が求められ、華やかさとは無縁の世界でした。
まとめ:記者クラブは決して“楽な場所”ではない
世間のイメージほど、記者クラブは居心地のいい場所ではありません。発表情報の限界、幹事業務の重圧、人間関係のストレス——。それでも記者たちは現場で粘り強く、真実を追い続けています。
特ダネは会見からは生まれません。現場に足を運び、自分の目で確かめる——それが記者の原点だと改めて感じます。



