【元デスクが語る】新聞社の「デスク」はなぜ理不尽なのか?組織が変質する中での苦悩と実態
新聞社で働くうえで避けて通れない存在が「デスク」。
記者の原稿を直し、ニュース対応を指示し、会議にも出席する――。
現場と上層部の板挟みになりがちなポジションで、名物デスクや怖いデスクのエピソードに事欠きません。デスクとはどんな仕事なのでしょうか。
今回は、私が実際に経験した「厳しいデスク」「理不尽なデスク」の話を交えながら、デスクの役割や苦労について紹介します。
デスクの仕事とは?中間管理職の立ち位置
新聞社の「デスク」は、部署を取り仕切る編集責任者のことです。本社各部や支社、支局などにいます。
具体的には――
- 記者が書いた原稿のチェック・修正
- ニュース発生時の人の配置や指示、応援要請、記事出稿の指示
- ニュースの優先順位を判断し、関係先に通知
- 支局や担当記者への指導・対応
- 朝刊・夕刊会議への出席
など、多岐にわたります。
一方で、現場の記者からの不満を受け止めつつ、上層部からは厳しい要求や精度を求められるため、「中間管理職」としての悲哀もつきまとう。
「怖いデスク」エピソード集
ある企画原稿の締め切りが遅れていたとき。
本社社会部デスクが私の通信局兼自宅に押しかけてきました。
デスクはしばらく通信局のソファーに居座り、落ち着かない様子。1時間ほどして私が書き上げると満足そうでした。
さらに「電話を貸せ」と言って別の記者に電話。
「原稿はどうなっとるんだ!」と怒鳴り散らしてから、「今から取りに行く」と次のところへ去っていきました。
企画の連載が終わった後、このデスクから「飯に行くぞ」と会社近くの焼き鳥店に連れて行ってもらいました。
カウンター越しの女将から「まもなく閉店なので料理は出せません」と言われ、突き出しとビール一杯のみで店を後にしました。
さらに別の日に行ったタイ鍋料理店では「食べ放題チケットがある」と得意げに差し出すデスク。
ところが期限切れで、店員から指摘されると「そんなはずはない!」と激高。定員にきつく当たりだし、私は横で冷や汗。社内だけでなく、社外でも理不尽な人なんだとわかりました。
怖いのか面白いのか、もはや分かりません。
紙面の引き継ぎ資料を捨てたデスク
地方支社で私がデスクに就いたときのこと。
地元採用の先輩デスクと初対面でしたが、いきなりかまされました。その先輩デスクは、私を困らせようと、私が担当する資料や引継ぎをすべて捨ててしまいました。
翌日当番デスクだった私は、たいへん焦りました。
必要書類が捨てられていたことを上司に報告しました。
先輩デスクは上司の聞き取りに「新入りデスクを困らせて、俺の存在感を示したかった」という趣旨のことを明かしたそうです。
理不尽さと上下関係の厳しさに呆れるばかりでした。私が先輩デスクに強く抗議すると、それ以来、なくなりました。
…めんどくさいデスクの典型。余計なことに時間を割くのは、ばからしいけど、これもデスクの仕事のうちなのか。
不祥事で“内勤”になったデスク
さらに衝撃的だったのは、夜の街で民間人との暴力事件を起こして書類送検された支局長が本社のデスクに配置換えになったこと。外に出せないというのがその理由。
あおりで私が、本社デスクを外されて記者に戻されました。
デスクは、そんなに軽い仕事なのかと落ち込みました。
でも当の本人(問題を起こした支局長)は堂々とデスク席に座っているのだから、やはり強い(?)。

デスクに必要なものは「前向きさ」と冷静さ
このようにデスクには高圧的な人、ねちっこい人、体育会系の人、事件を起こした人などさまざまなタイプがいます。
共通しているのは、締め切りや記事の重圧に追われ、ストレスがたまりやすい立場 だということ。
だからこそ、前を向いて冷静に仕事を進められる能力が問われます。
これは新聞社だけでなく、あらゆる職場の中間管理職にも当てはまること。
まとめ
- デスクは記者の原稿を直し、取材指示を出す重要な役割
- 一方で「中間管理職」として上からも下からもプレッシャーを受ける
- 厳しい、理不尽なデスクのエピソードは尽きない
- 最後に問われるのは「前向きさ」と冷静さ
新聞記者を目指す人や、マネジメントに悩む人にとって、デスクのリアルな姿は中間管理職のあり方として参考になるかもしれません。



