上司の「努力は報われる」にだまされるな!努力が無駄になる職場の特徴

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「努力は報われる」は本当か?

上司の呪いの言葉「努力は報われる」「誰かが必ず見ている」

この言葉は上司や先輩からしつこいくらい聞かされました。その度に嫌な気持ちになります。社員をさぼらせないようにする呪いの言葉。

部下のいい仕事や振る舞いなんて彼らは気づいていません。失敗や悪いところについては、すぐに見つけて攻撃してくるくせに。人は悪いことの方が目に付くのです。

管理職が気づいていない落とし穴

管理職ほど自分たちが部下にじっくり見られていることに気づいていません。自分をいい上司と思い込み、後輩から評判がすごく悪いのに自分に寄ってくる外面のいい部下を登用したがる。

外面のいい彼らだが、役職を受けたとたん横柄になり、パワハラやセクハラで問題を起こす。社内では反省もなく同じことが繰り返されています。

「誰かが必ず見ている」

「誰かが必ず見ている」

この言葉が好きな先輩がいました。当時、国土交通省の担当記者でした。耐震偽装事件などで私たち遊軍記者がクラブに応援に行くたびに彼はこの言葉で説教しました。彼はいつも夕刊時間帯に出社せず、応援記者に記事を書かせていました。

浜崎あゆみのファンで、記者クラブの自分の席に大きなポスターを3枚ほど張っていました。コンサートにもよく行くそうで「あゆは神だ」とべた褒めしていました。仕事よりもそちらを優先していました。

私から見たら「あなたの方こそ、みんなに行動を見られている。ちゃんと働けよ」と言いたくなりました。

「手を抜いたら分かる」「何でも全力を尽くせ」「頑張って」「他社がいなくなるまで引き上げるな」

上司からくどいほど聞かされました。本当に守っていたら体がもちません。いかにやったふりをするか、ばれないようにするかに集中していました。

出世レースと「努力が報われない」現実

「努力は報われる」と言う言葉も無責任な言葉です。努力したからといって、上司が何かしてくれるわけではありません。自分の手柄にするだけです。

日ごろから、仕事の成果を現場出身の編集幹部たちにアピールし、幹部のジョギングにも付き合うベテラン記者たちがいました。幹部が好きそうな店も率先して予約するなど気に入られようと頑張っていました。

周りからも好人物と映り、主要な部署で働き、次の要職が約束されているように見えました。ところが現場部門の編集幹部たちが本社から根こそぎいなくなり、内勤部門の幹部たちで固められると、前幹部のグループとみられた彼らは、本社から出ることになりました。

望まなかった辞令でしょうか。地方に出た彼らの評判はよくありません。

地方のデスクに聞くと「支局の手伝いはほとんどせず、そのせいで他の支局員は休めない。優しいイメージだったが変わってしまった」と嘆いていました。親しくしていた幹部が変わったことで、やる気をなくしてしまったのでしょうか。

努力が報われない会社で生き残るために

「とにかく汗をかけ」と生成AIを使うことを禁止した幹部もいました。

「原稿を書く力がつかない」「取材をしなくなる」「AIの言うことは信用できない」などが理由です。幹部は新入社員にも厳しく諭しました。

AIを無視したら新聞はさらに世の中から遅れをとります。これらを使いこなし、危険性や有効性を伝えていくのが新聞の役目であると思うのですが。

「努力は報われる」「誰かが見ている」という言葉は、励ましに見えて実は社員を縛る呪いの言葉になりかねません。柔軟な思考の妨げになります。

現実には、努力が報われない会社も存在します。大切なのは、ただ努力を続けるのではなく、努力が正当に評価される環境に身を置くことです。

理不尽なことをいかにコントロールし、マネジメントするか。生き残るための仕事の一つだと思います。なかなか難しいけど。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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