新聞記者はいつ何を食べているのか?30年のリアルから語る“記者と食事”の裏側

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新聞記者とにって、食事をどう確保するかはとても重要な問題。若いときは事件事故に追われながら、食べ物を早く手に入れ、早く食べるかを考えていました。デスクで支局や本社にいるときも電話やファマスが次々と鳴る中で、食べる時間を確保するのは難しかった。取材先での会食、仕事後の飲み会、他社との懇親会は相手がいるため、ずっと気を張っていました。何をいつ、どこで食べてきたのか。新聞記者歴30年以上の私が、個別の時期や場合ごとに説明します。

常に事件現場へ、まともに食べられない日々

20代の駆け出しのころは、火事や殺人事件の事件事故現場に行ったり、催しや、話題のある学校、お祭りが開かれる神社、高校野球開催の球場、選挙事務所など外を動き回っています。若手記者は何かあれば、真っ先に現場へ行くように指示されるので、ゆくりと昼飯や夕食を食べているわけにいかない。

おにぎりや弁当、コンビニのサンドイッチ、ランチパック、カップ麺などで済ますことが多くなります。いったん事件現場に行くと、食べ物を買いに行く時間もないので、あらかじめ用意します。それでも現場を離れることができず、食べないまま腐らせてしまうこともありました。

若いときはおなかがすくので、食べる機会の確保はモチベーションにもつながってきます。

電話と問い合わせに追われ“ながら食い”が日常

支局や本社のデスクをしていると、記事の問い合わせだけでなく、電話やファクスがしきりにかかってきます。社内でも別の部署のデスクが調整に訪れたり、見出しを担当する整理記者から問い合わせが殺到します。校閲部からは誤字や日時の間違いを指摘され、記者に確認。広告や事業から社ものの記事掲載依頼があったたり、民間のPR会社から取材の売り込みがあったり、読者からの問い合わせがあったり。その間、編集会議にも出なければいけない。食事なんかとっている時間はない。弁当やパンを持ち込んで、記事を直しながら食べるしかありませんでした。

仕事が落ち着いた午後11時ぐらいに社内の食堂に行こうとすると、営業終了に。結局、会社で食べることができず、深夜の自宅でドカ食いをしてしまうという悪循環に陥ります。健康診断では、悪い数値が並びました。

飲み会 気を抜けない“緊張の食事”

取材先での会食、仕事後の飲み会、他社との懇親会については、レストランや居酒屋、料理店などで開かれます。いるのは取材先や大臣、行政の幹部、経済人、文化人、各国の総領事、有力者、他社の記者など。楽しんで食べられる雰囲気ではない。

その場で、相手の心の内を探ったり、接近したり、言葉の裏の意味を読み解いたり。お酒も入るので、うっかり本音を言わないかを集中して聞いています。

私たちも失礼なことがあってはいけないと緊張しています。セクハラや暴言で、場をしらけさせた記者たちをいっぱい見てきました。評判の料理が出ることがありますが、味なんかちっとも覚えていない。

霞が関・国会の「穴場食堂」事情

厚生労働省を担当していた時、副大臣室に担当記者たちが呼ばれて懇親会が開かれました。九州出身の副大臣は、地元から幻の焼酎を仕入れていました。手に入らない逸品ばかり。それを記者たちが飲んでいました。

ちなみに国の省庁が入るビルの最上階などは、格安レストランが入っています。だれでも市場の6割ぐらいの値段でハンバーグ定食やワイン、ビールなどを頼むことができました。ここにはよくお世話になりました。

国会にもお得で食べられる高級フードコートがあります。国会取材の合間にお寿司屋やステーキなどを食べに行っていました。

議員や官僚は、いつも当たり前のように使っていました。

まとめ 食べることは“人間関係と取材”の一部

新聞記者は、食べることは取材活動の一環と言えるでしょう。食べ物の取材も少なくない。飲食の場で、取材相手や仲間との距離をぐっと知事めることもある。

ただ、コロナ以降、その流れは変わりました。パワハラやセクハラ問題が注目されるようになり、人間関係を築くのに飲食が否定的にとらえられるようになりました。

しかし、食べることは生きること。記者の仕事がどんなに変わっても、食事のだいご味は変わらない。そうでなければ味気ない。

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シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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