記者会見で露呈する「政治家の資質」と強烈な人間性ー記者はここを見る。

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政治家の資質をどう判断すべきか。長年記者として現場を歩いてきた私の経験から言えば、記者会見こそがその人物の本質を見極める絶好の機会です。

会見は単なる政策発表の場ではありません。話し方、内容、表情、声のトーン、そして予期せぬ質問への機転。

そこには、その政治家の「人間性」や「リーダーとしての力量」が色濃く映し出されます。最近も、学歴詐称疑惑で注目を集めた静岡県伊東市の田久保真紀・前市長の会見が話題となりましたが、市民が政治家を判断する上で、会見は極めて重要な材料となります。

【タイプ1】マスコミ批判に終始した、ある女性知事

かつて大阪知事を務めた元官僚の女性は、強烈な「会見スタイル」を持っていました。 彼女の会見は、常にマスコミ批判から始まります。新聞記事やテレビ番組の実物を持ち出し、「A新聞のここが間違い」「B新聞の表現はおかしい」と延々と指摘し続けるのです。

記者の質問にも「意味のある質問ではない」と一蹴。会見の場を、自身の不満をぶつける場所として使っているかのようでした。

【タイプ2】石原慎太郎氏の「独演会」のような魅力

一方で、東京都知事だった石原慎太郎氏の会見は全く別物でした。 石原氏の語りはあまりに面白く、新聞各社がこぞって全文に近い要約を掲載するほどでした。東京メトロポリタンテレビでは録画放映もされました。

時には問題発言もありましたが、一人で語り続ける姿はまるで「落語」のよう。

特に印象的だったのは、大相撲の八百長問題に対する持論です。「俺は目の前で相撲協会幹部から、〇〇は負けるから見ていてくれと言われた。その通りになった」と、都政とは無関係なエピソードを自信満々に披露。

自分の最新作についての質問に及ぶと、「君、いい質問するね」と笑顔になり、自作について長々と語ってくれました。

作家であり、名優・石原裕次郎の兄という「別格の存在感」が、どこか憎めない独特の空気を醸し出していました。

【タイプ3】対照的な知事たちの振る舞い

石原氏の後任たちは、また異なる個性を持っていました。

常に喧嘩腰で、東京メトロなど特定の組織を槍玉に挙げていた石原氏の後継知事の猪瀬直樹氏。金銭授受疑惑の際、カバンに札束を無理やり押し込もうとする映像は今も目に焼き付いています。

一方で次の知事の舛添要一氏は、平時は当たり障りのないやりとりで印象が薄かったものの、公費を回転ずしの飲食費や旅館の宿泊費に流用したとして追及されたときの言い訳は、驚くほど雄弁でした。

【タイプ4】切れ者・前原誠司氏の電撃発表

民主党政権時代、国土交通大臣を務めていた前原誠司氏は、まさに「切れ者」という言葉がふさわしい人物でした。

航空行政の担当だった私は毎回会見に出席していましたが、彼は何の前触れもなく、淡々とした表情で「羽田空港の国際化」のような巨大な政策をぶち上げます。

表情一つ変えずに航空行政の歴史を塗り替える姿には、いつも驚かされました。

ぶら下がり取材も、いきなり格安航空会社のパイロットがフライト中に操縦席を外れてCAと記念撮影していたとが判明したとして、その場で証拠写真を記者たちに配りました。

そのスピード感と決断力は、担当記者として常に気が抜けない存在でした。

前原さんは、優秀な政治家だけに現政権にも参画してほしいと思ってしまいます。

そして今回、学歴詐称で注目を集めた伊東市の田久保・前市長。

私がこれまで見てきたどの知事・市長とも違うタイプに映ります。 彼女の会見が「マスコミ批判型」なのか「語り尽くす型」なのか、それとも全く新しいスタイルなのか。

取材者として、会見に出て質問してみたいと思わせる存在です。キャラクターが際立っていることは確か。その個性は生きる場所は、ほかにあるように感じます。

【まとめ】会見は政治家を映し出す「鏡」である

記者会見は、その政治家の知性、誠実さ、そして覚悟があらわになる場所です。伊東市の前市長のような個性的なキャラクターが、今後どのようにメディアや市民に受け止められていくのか。

私たち有権者は、会見を通じて「この人は本当に信頼できるリーダーか」を鋭く観察する必要があります。会見という鏡に映る姿の中にこそ、政治家の真実が隠されているのです。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
主要マスコミに勤務。記者、デスクとして東京、大阪、地方での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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