リーマン物語⑫
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リーマン物語
社会部は、この会社ではメーンの職場。地方などで記者経験を積んだ優秀とされた記者が配属される。海外特販員や局長はほとんどが社会部出身者。経済部、写真部、生活部、教育報道部などの部長も社会部出身者がついた。地方の支局長やデスク、支社長も社会部出身者。給与も一番高い設定になっている。それだけにプライドが高く横柄な社会部員も少なくない。肩で風切っている感じか。しかも体育会的な上下関係も残る。「社会部でなければ人でない」などと豪語する者もいるくらいだ。パワハラ、セクハラの温床になっているとの指摘もあり、実際、それらの事例も少なくなかった。
整理部は基本、内勤仕事。見出しやレイアウトを担う部署。取材にはかかわらない。いったん支局に出たが、支局長や取材先との人間関係が合わなかったことから整理部に配属される人もいる。同じメンバーでの仕事が多く、環境の変化はあまりない。生活部や教育報道部、文化芸能部についても基本はアポ取材。発生ものの取材はあまりない。このため勤務時間も一定で、子供がいる女性や介護問題、病気を抱える社員が配置されている。
社会部以外の社員は、社会部を特別視するいびつな社内構造が、風通しを悪くし、パワハラや離職者を出していると考える人は多い。それが今回の変化に拍車をかけているように私には思えてならない。