なぜ理想の上司はいないのか どこへ消えたのか

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後輩は食事会で私たちにぼやきまくった。「上司は馬鹿ばかり」「毎回訴えても何も変わらない」「約束を守らない」。別の部署に勤務する彼は、仕えた複数の上司のことを「できが悪く、部下の気持ちがわからない」と断じた。

酔った勢いもあるが、相当、現状に耐えかねているようでした。

働きやすい職場はずっと続くことはありません。時代の変遷とともに劣化し、上司も変わっていきます。

消去法で幹部になるのは

考えれば当たり前の話。

部下思いの中堅社員の場合は、上と下に挟まれて無理な仕事を押し付けられ、精神を壊してしまう。優秀な中堅社員は、できるがゆえに難しい仕事にチャレンジし、大失敗。人付き合いや根回しのうまい中堅社員は、酒の席が多くなり心筋梗塞や脳梗塞などで倒れてしまう。

さらにライバルに蹴落とされたり、自信過剰のためにパワハラやセクハラとみなされたりして失脚。途中で気が付いた社員はやめて、起業したりフリーになったりしていく。消去法で幹部になるのは、何もしなかったタイプ。

従順な社員を主要ポストに

同族会社であれば、オーナーの意向がすべて。幹部が力を持つのをひどく恐れている。力を持ち続けたいと考えるから従順な社員を主要ポストに登用。意見をする幹部なんてもってのほか。社員のことや経営のことなんて二の次である。

その結果、冒頭の後輩のような気持になってしまう。会社とはそういう仕組みだと割り切れば、腹も立たない。

管理職が動かないのは、その部署にとっては弊害だ。

負のスパイラル

問題がある職場でも管理職に発言力があれば、人事担当の幹部に増員や期待できる部員を配置することは可能です。

しかし、管理職が状況を上層部に訴えなければる問題は大きくなるばかり。体や心を壊してしまう部員が増え、カバーする部員にも負担がかかり、さらに人が減ってしまう。それを繰り返すと、どんどん人がやめていく。

残りの部員に負担がどっと押し寄せ、間違いやトラブル発生を招く。負のスパイラルに陥ってしまう。それでも手を打とうとしない。それが現実です。

変化への対応が遅い

オールドメディアほど変化への対応が遅い。人が減れば、生成AIやデジタル化を進めないとやっていけないのに、それすらためらっている。

過去の成功体験から、変わらないことが美学のようだ。

次の新しい扉

順調そうに見える大手メディアでも問題は内部に潜む。

こういう上司が増殖してしまうのは必然なのかもしれない。企業は時代とともにいずれ衰退するのだろう。

宇宙も生成と消滅を繰り返し、国家も興亡を繰り返す。衰退するということは、次の新しいものが生まれるということ。量子力学で考えるとよくわかります。会社の劣化も自然の摂理と考えれば腹も立ちません。

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シュレディンガー
シュレディンガー
報道記者
マスコミに勤務。記者として東京、大阪での取材経験あり。最近はサイエンスコミュニケーター目指して宇宙物理や量子力学を学んでいる。
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